【UTAU】月詠み唄(Requiem to the sea at night) - 祁音ユラ Kion Yura by 暘 弥涼 (Isuzu Hinode) published on 2018-03-16T00:24:32Z 初めに作ったオリジナル版です。βともいうし、没ともいう。そんなもの。つまり、供養である。 *** 搖蕩う小舟にたまゆら宿る、 凛とした鈴音に黃泉を見た。 合はせ鏡に、氣も漫ろ。 憂ふ三日月に、涕を焚く。 捧ぐ面で仰ぎし星に、想ひを馳せて、 今、詠はう。 夜明けがこの空を、燒く前に。 此の目が彼の舟を、見失ふ前に。 在りし日をなぞり、絲を縒る。 言の葉を編んで、詩を纖ろう。 想ひは、ひとつだけ。 餞は、ふたことで。 「ありがたう、さやうなら」 その先は、また會ふ日まで。 安らかに眠れ、愛しき魂よ。 また會へる日まで。 ありがたう、さやうなら……――